【ピアノ練習曲】ブルグミュラー18の練習曲7,8,9曲目ポイント

こんにちは。なんなん(@nannanchannel) です。

ピアノの中級入口向けの練習曲集として、ブルグミュラー18の練習曲という曲集があります。

同じ作曲家、ブルグミュラー25の練習曲より、だいぶむずかしくなっています。

この記事では18の練習曲のうち、7,8,9曲目について語ってみようと思います。

※各曲の曲名の和訳は、全音出版社のものによります。

7曲目子守歌

曲の題名の通り、ゆったりとして暖かみのある曲です。曲の初めに「歌うように」と指示があります。

イタリア語ではカンタービレ。のだめカンタービレという漫画がありましたが、そのカンタービレと同じ意味です。

拍子は8分の3拍子。ひとことでいえば3拍子のピアノ曲です。8分音符の3拍子なので、4分音符の3拍子よりは少し軽さと前に進みやすい感じがあります。

音型はメロディー、拍の頭にバス音のほか、下っていく16分音符の細かい音があります。メロディーはゆるやかに弧を描くし、細かい音は安定して下っていくので、眠くなりそうで子守歌にはピッタリです。

ピアノの練習曲としては、右手でメロディーと内声をきれいに弾き分ければいいかなと思います。内声、1,2,3(親指~中指)で強くなりがちなので、必要最低限だけキーに関わる感じで音を出していきます。

左手の分散和音(アルペジオといいます。順に一音ずつ和音の音をひく)で、指番号が2→1→2など、指くぐしがあるのが少しやりにくいです。指をくぐしたのがバレないくらい、穏やかにくぐしていかないとなんですよね。

ピアノの曲調としては最初から最後までほとんど変わりなく2ページ弾き切ります。5つの細かい音で装飾音が入るので(右手)、ちょっと待ってもいいのできれいに入るようにしたいです。

軽やかな音で弾けるといいと思います。

8曲目アジタート

7曲目とは雰囲気かわって、テンポ速めのせきこむような曲です。アジタートという曲名が、「せきこむような」という意味の音楽用語なんです。

何かに追いかけられて不安になる気持ち…というのがピッタリくるかもしれません。この曲も2ページで終わるのですが、ずっと細かい音の分散和音の練習が続きます。

指くぐしをしなくていいので油断しがちなんですが、鍵盤の幅が狭いところで2音ずつせこせこ(???)正確に弾いていくのは、けっこう神経を使います。その「神経を使う」ところが、この曲での練習なのかもしれないですね。

曲の真ん中がト長調になっていて、その前とその後(曲の前半と後半)は悲しげなホ短調です。その違いが出せるといいかなーと思います。

この長調と短調の関係は近い関係なので(調号という♯の記号が同じ)、表情を変えるのもやりやすいと思います。こういう細かな作業が必要な曲って、ピアノを弾いていて息を止めてしまいがちになります。細い呼吸になるかと思いますが、息を詰めつつちゃんと呼吸を入れて弾くようにしたいですね。

9曲目朝の鐘

前に知り合いのお嬢さんがピアノ発表会でこの曲「朝の鐘」を弾いていました。穏やかですが構成がしっかりしていて、聴き映えのする曲だと思います。

左手の和音伴奏、真ん中あたりの鍵盤でメロディーや内声を弾いて、左手が空いたときに高音の鐘の音をポーンと鳴らす。右腕の上に左上を交差させて弾きます。この腕の動きの練習曲なんでしょう、きっと。

腕の交差、私は大変苦手です。子供のころは体がやわらかかったので、腕の交差もするする動きました。35才を過ぎるころから、背中の筋肉が固くなったのか、腕の交差が楽譜に書いてあると「げげっ」と思うのが正直なところです。したがってこの「朝の鐘」の真ん中あたりは腕の交差を使わないで弾けるので、ここはほっとする場所であります。

真ん中は真ん中で、右手の5本の指だけで2つの声部(旋律)を弾き分けたり、和音でメロディーを弾いていったり、別の課題となります。それでも、広い音域を腕の交差を使って弾くというのが、このピアノ曲のメイン練習なのかなと思います。

腕の交差はつらいですが、このピアノ曲のもつ朝焼けを感じさせる色合い、深みはとっても好きです。

ブルグミュラー18の練習曲、7,8,9曲目のまとめ

前の記事でブルグミュラー18の練習曲の1~6曲目のことを書きました。7,8,9曲目になると、和音も充実してきたのかな、と思います。曲の雰囲気がいろいろで1曲ごと楽しめるのも、このピアノ曲集のだいご味ですよね。

ピアノの練習曲は、音階練習、オクターブ練習、3度の和音練習など、露骨に練習のための曲集もたくさんあります。でもこのブルグミュラーの練習曲は、しっかり曲として楽しめるようになっています。練習しつつ上達できるのがいいですよね。

ちなみに個人的な感想ですけど、ブルグミュラー18の練習曲は、見た目ほど簡単ではないように思います。上手くいえないんですけど、なんかちゃんと弾けないときには、ボロが出やすいっていうか。

何も弾けないからこれを弾こうとすると、上手く弾けるわけではない。逆に、これを18曲きれいに弾けたら、中級レパートリーの他のピアノ曲って、たいてい何でもきれいに弾けてしまうのではと考えています。

ピアノで必要なテクニックってなんなんだろな?…とこの18の練習曲を弾くと思います。音階とかオクターブ奏とか和音奏とかスタッカートとか、分けようと思えばいろいろな技術名に分けることができます。でも名前のついていないテクニック…各声部の役割をそれぞれちゃんと果たすとか、曲の雰囲気にあった音色で弾くとか、ひとことでは言い表せないような技術がたくさんです。

この練習曲集を魅力的に弾けるようになって、他の曲を弾く助けになるといいなと願っています!