こんにちは。プロの声楽家にオペラの発声を習い始め、3年をすぎたなんなん(@nannanchannel)です。
発声の助けになれば…と「イタリアオペラを疑え!(香原斗志・ARTESパブリッシング)を読んでみました。
過激なタイトルにみえますが、みんなで回し読みして楽しく読んでいるので、本の感想をまとめてみようと思います。
イタリアオペラを中心にいろんな作曲家の特徴がわかる本
学校教育でバッハやモーツァルトなど、ドイツ音楽には詳しくなれますが、イタリアオペラの作曲家について、なかなか名前やイメージが浸透しにくいのが、日本の現状だと思います。
実際に声楽を習った人、オペラ愛好家でないと、なかなか耳慣れない作曲家ばかりかもしれないですね。
本文内ででてきた作曲者・作品名
- ロッシーニ ランスへの旅
- ドニゼッティ 愛の妙薬
- ベッリーニ 清教徒
- ヴェルディ ドン・カルロ
- プッチーニ 蝶々婦人
時代・背景とともに、それぞれの作曲家が腕をふるってイタリアオペラを書いてきた様子が、よくわかる本になっていました。
「ベルカント」「ヴェズリモ」など声楽用語の最新事情がわかる本
声楽の用語をインターネットで調べていると、実際に歌っている人、声楽を専門とする人が、経験を生かしてさまざまな言葉で説明をしてくださいます。
「ベルカント」「ヴェズリモ」など、オペラの発声を学んでいると、深く理解したくなる用語がでてきます。
言葉として学ぶのもいいのですが、一冊の本の中から
歌手たちの体験談
当時の劇場の事情
たとえばこんな記述の中から、立体的に声楽用語を学んでいけるのが、専門書のおもしろい所であります。
芸術・文化などを深く理解する上で、詳しい方がまとめてくださった本は、一生の財産になるほどですよね。
日本人がイタリアオペラとどう付き合っていくのがよいかわかる本
この本は日本人のために、日本語で書かれた本であります。
したがって後半に、日本人である私たちが、ヨーロッパの音楽、オペラ、イタリアオペラと、どのような距離感をもって付き合えばよいのか、参考になることが多く書かれてあります。
わかりやすい例ですと、プッチーニ「蝶々夫人」の主役、蝶々さんは、今でも日本人である私たちにとって「白羽の矢」が当たることの多い作品であるそうです!
もちろんこれ以外の曲が日本人に向いていない…というわけではありませんが、日本語の発音の問題など、わたしたちがクリアすべき課題が、はっきり見えてくる例がたくさん書かれてありました。
youtube動画など、歌いたい曲をみて勉強するのも大切ですが、わたしたち日本人の本来もっている性格、骨格、アイデンティティなど、すでにあるものにも目を向けるのが、声楽を学ぶ上で大切なのではと思います。
まとめ
東京ディズニーシーの中に入ると、イタリアの建物の連なりが目の前に広がります。
わたしたち日本人にとって、イタリアの風景は、無条件への憧れがあります。
知っていることも、誤解されやすいことも、遠く離れた国のことですので、まだまだたくさんあると思います。
イタリアオペラを通して、この本を通して、もっと声楽について学んでいきたいと思っています。
みなさんもよかったら、読んでみてくださいね!