【豪雪2017-18】雪国の人はどうやって暮らしているの!?【大雪】

みなさまこんにちは。なんなん(@nannanchannel) です。

2017年1月13日(金)センター試験の前日、日本海側は大変な大雪になっています。

14(土)15(日)さらに強い寒気が流れ込み、大雪の範囲が広がり気温もぐっと低くなりそうです。

私が長年住んでいる新潟県では、広い地域で「大雪警報」が出ています。

1年のうち何日か大雪に見舞われていて、一般市民の生活にもさしさわっています。

豪雪地帯に住む私たちが大雪のときに、どんなことに困っているのか、どんな暮らしをしているのか、ざっくり書いてみようと思います。

車、車が動かないと生活できない

雪国の生活で一番困ること、それは「雪によって車が走れなくなること」です。

道路は雪専用の「除雪車」(じょせつしゃ)が来て、雪を道路の両端によけてくれます。

車のタイヤは大人のひざ下くらいの雪があると、雪に埋まって動けなくなってしまいます。

12月、3月のちょっとした雪は、除雪車が雪をよけてくれて生活可能です。

1月、2月の本格的な豪雪シーズンには、1シーズンに1〜2度、昼夜とも除雪車が稼働するような「ドカ雪」に見舞われます。

そんな時にはたいてい全国ニュースになります。

除雪車が端によけてくれた雪が、道路に高い壁をつくり、道幅が狭くなります。

視界が悪くなり、車の運転がいつもより難しくなります。

除雪車より雪の降るスピードがすごいと、道路が雪でぬかるんで上手く運転できません。

溶けかけた雪が寒さで凍ったりすると、道路の路面がガタガタして運転が不安定になります。

みんなで安全のためノロノロ運転をするため、道路が渋滞します。

2016年冬には国道8号線が全く動かなくなり、車の中で夜明かしした人も多かったようです。

雪かきに追われる

住んでいる自治体によって雪の片付け方はいろいろですが、朝昼晩と大雪中には仕事もままならないくらい「雪かき」に追われます。

雪国住まいでは「マンションに住みたいねぇ」なんて声も聞こえてきます。

車を出すため、自宅の玄関まで歩けるように、雪をどかさないと生活できない人が大勢いるんです。

新潟県内のいろいろな豪雪地帯に引っ越して、私の経験した自宅での雪かきは次の通りです。

  • 屋根の雪おろしをする(1階、2階)
  • 井戸水を出して雪を溶かす
  • 除雪車がゴロゴロ置いていった雪の塊を邪魔にならない所に持って行く
  • 家の前を消雪用の用水路が流れていて雪をドンドン放りこむ

どれも人力、肉体労働です!

一番最後の「用水路に雪をドンドン」がすごく楽そうですが、この自治体が私が経験した一番の豪雪地帯でした。

市全体に用水路が張り巡らされていて、ひざが埋まるくらい積もった雪を朝・晩とドンドン流すのです。

スキー場がいくつもあるような雪の降り方だったので、ひと冬に最低限2回、屋根の雪下ろしをしました。
本当は5回くらいに小分けして下ろすと楽なのですが、2回にためこむため「頭より高く積もった雪をスノーダンプでバカスカ落とす」という重労働になりました。
屋根の雪下ろしでお年寄りの落下事故が毎年あるので、誰にとっても命がけの作業です。

「女性でも雪おろしは逃れられないな〜」と思った豪雪生活でした。

あのくらい積もる所だと、屋根の角度をつけて自動で落下してくれるようなシステムにしている家もありました。

2階(高床+2階)の部屋スペースが狭くなったり、落ちてくる雪のスペースを作ったりと、それはそれで大変だと思います。

会社や学校はできる限り営業、高校は電車が止まると公欠

大人が車で通勤できる会社、歩いて通える小中学校、電車通学者の多い高校で雪への影響が違ってくるので分けて説明します。

大雪の時の大人の会社

車をむりやり出して、みなさん出勤しています。

努力しても遅れる時には電話連絡します。

夜の仕事は早めに切り上げて、自宅で除雪をする時間にあてる人が多そうです。

雪や道路の凍結で、よく田んぼに車が落ちているのを見かけます。

私の夫も通勤中に雪にはまって動けなくなり、見知らぬトラックの運転手の方に「けん引」(けんいん)して引っ張って脱出させてもらったことがありました。

豪雪地帯では四輪駆動車(4駆)がとても重宝されます。

うちは子供2人が社会人ですが、4人家族で4人とも4輪駆動車に乗っています。

冬の1月2月のためだけに、四輪駆動車を買っています。

大雪のとき、子供の学校は?

子供達のための通学路は、優先して歩道を除雪してもらっています。

普通の積雪では、いつも通り登校しています。

子供たちは長靴、スノトレのシューズを履いて足が濡れないようにしています。

 amazon:[アシックス] スノーシューズ スノトレ SP7 TFS284

大雪、猛吹雪などものすごく天候が荒れるとき(ニュースに出るくらい)は、台風の被害の時と同じように、臨時休校になることもあります。

「明日は大雪で学校が休みです」と連絡網が回ってきます。

臨時下校、登校時間を遅らせる、なんて対応もありますね。

留守番おばあちゃんのいない家の共働きのお母さんは、急な子供の下校に困ったりすることが多いです。

臨時休校だ、やったぁ、なんて喜ぶのは最初だけで、あとから休んだ分の振替授業があったりします。

電車通学の高校生は大雪が降ったら?

高校も雪が降ったくらいでは普通に授業がありますが、電車が雪で動かなくて高校に通えないことがあります。

電車、バスなど公共交通機関が動かないときには「公欠」で、高校を休んでもいいことになっています。

大雪で電車が止まった日の駅は、どこにも行けない高校生(会社に行く大人も)であふれかえっています。

「今日は無理そう」と思った子は、自宅へ大人しく戻ります。

高校2、3年生にもなると公欠に慣れてきて、駅で会った昔の友達の家へ遊びに行って、小・中学生に戻った気分で楽しく過ごす人もいます。

真面目な高校生は「雪くらいで高校を休んだら勉強や部活でやっていけなくなる」と、電車が動かなくても高校に行こうとします。

道路の除雪で自家用車はノロノロながら動くので、公欠で休まないで親に送迎してもらって高校に行く人もいます。

うちも熱心な下の子は、自家用車でいつも高校まで送迎していました。

豪雪でのスーパー、コンビニの買い物ってどうなの?

平成に入って29年、気付いたら豪雪がどんなにひどい時でも、スーパーの食品売り場に野菜や肉、魚が届かず、棚がガラガラ、なんてことは全くありません。

昭和時代、私が子供だった頃はスーパーもこじんまりした所しかなく、親が冬用の野菜を買い込んでは、リスやクマのように2階の部屋にためこんでいました。

白菜、ネギ、芋など白菜を新聞紙にくるんで涼しい部屋に置いておくんです。

冬は買い物に出られないため、冬が来る前に食材をなるべく買い込んでいたようです。

今は車での流通が発達して、スーパーにもコンビニにも商品がいつも通り置いてあります。

買いにいく私たちも車を出して、いつも通り買い物に行けます。

しかしニュースに出るほど天気の悪い日は、不要な外出を控えるようにします。

明日あさって、終日天気が荒れるようなので、2日間買い物に行かないでいいように食料を買い込みました。

仕事には行かないといけないので、車を出さずに歩いていくかもしれません。

ニュースに出るくらい道路の除雪が悪いと、コンビニの商品到着が予定通りに届かないことはたまにあります。

車社会になったおかげで、昭和の時代に比べれば、大変不自由なく暮らせています。

大雪で困ったことは?

除雪が大変で困っていますが、私が生まれた頃から除雪で困るのが普通なので、どうしたらいいのかよくわからないでいます。

「雪がひどいから雪のない所に引っ越した」という話はあまり聞かないです。

雪のせいでお金がかかっている面は少々あります。

除雪用のスコップ、スノーダンプ(豪雪地用)、雪下ろし用のトンボ、長靴、スタッドレスタイヤ・・・屋根の雪降ろしを業者に頼んだり、雪消し用の井戸を掘る家もあったり。

(↑私の地元で「トンボ」と呼ばれる車の屋根の雪を下ろすブラシ)

困ったこととはちょっと違いますが、雪がひどくなると隣近所との付き合いが活発になります。

除雪のため、家の外に2時間もいるようになると、自然と「立ち話」が始まります。

私も本日、隣の家のおじさんと40分、立ち話をしました。

1年ぶりに会ったので、積もる話がいっぱいあって話が長くなりました。

豪雪、大雪ってのは一種の「自然災害」です。

大雪の降る所に住む私たちは、毎年「自然災害」の訓練と実践を積んでいます。

「対向車が見えたら双方が道をゆずる」は、私の住む地域では自然とやっている交通マナーです。

マナーどうこうより場のムードでこのように実践していかないと、みんなが先に進めないんです。

「雪は3月には終わる」(私の県での終わり時)と終わりが見える災害だから、やっていられるのかもしれません。

【大雪】雪国の人はどうやって暮らしているの!?のまとめ

今から10年ちょっと前に「中越地震」という激甚災害が起きたのですが、「被災者がとても我慢強かった」という声をテレビなどで聞きました。

毎年、大雪に我慢しているので、この生活を何年か続けたら誰でも我慢強くなります。

雪に文句言ってもしょうがないですし、雪は真っ白で見た目がきれいなので、ひどい目に遭わされながらも雪はそれなりに好きだったりする人が多いです。
↓写真に写ってませんが、ボサボサと雪が降ってる最中

車を四輪駆動車にする、車にスコップやトンボ(屋根の雪下ろし)、手袋、解氷剤(スプレー。フロントガラスが凍る)を積んでおく、早起きして時間にものすごく余裕を持って家を出る、天気予報を見て買い置きストックをして不要な外出を控える。

雪国の生活はこんな感じで回っています。

今はインターネットが発達したので、自宅から出なくても外と交流できるのでいいですよね!

明日わたしは「インターネット飲み会」というものに参加します。

複数人でインターネット上で集まり、自宅にいながらお酒やつまみを持ち寄っておしゃべり、飲み会をやるのです。

大雪で家から出れないのにパソコン1台で飲み会に参加できるなんて良い時代になったものです。

豪雪地帯の雪かき、都会の満員電車、台風の来やすい土地など、住まいによっていろいろなハンディがあります。

どこの土地もそれぞれ大変ですが、人間の適応力を信じて何とかやっていこうと思います!

2018年冬・追記:北陸は記録的な豪雪です

福井県の国道8号・交通障害、そして新潟でもJR線の電車内で多くの人が一晩帰宅できなかったり、2018年冬の北陸は「記録的な豪雪」となってしまいました。

平野部でも一般住宅の前はこんなです。

左上のスコップ、小さいでしょう^^;

オスのキジが来たので毎日エサをあげていました

野生です