みなさまこんにちは。なんなん(@nannanchannel) です。
車で20分のところに住む実父が、肺がんの切除手術を受けました。
2017年9月半ばに手術して、1か月半。
実父の年齢は78歳。70代後半と高齢でした。
どのように傷や体力を回復させていったのか、手術の様子も振り返ってまとめてみようと思います。
父の肺がんはどんな種類なの?
「肺腺癌」(はいせんがん)という種類の肺がんです。
気管支側にできる肺がんと、肺の真ん中付近にできる肺がんがあるようです。
父の場合は、右肺の真ん中より上の方にできていました。
骨転移がなかったこと、放射線や抗がん剤が効きにくいタイプのがんであるらしく「手術療法のみ」で治療しました。
どのような手術を受けたの?
右肺の上、10分の3を切除する手術です。
肺は上から「3:2:5」に分かれているそうです。
一番上の「3」に肺がんができたため、上から10分の3を切除しました。
銀色の容器に入ったコロッとした右肺の一部を、母と一緒に見せてもらいました。
背中をたてに20cm、横に15cmくらい、大きく切った傷あとがあります。
肺の一部を切除するため、ろっ骨を2本、はずしました。
はずしたろっ骨は、再度はめてもらったと思っています。
手術のスケジュールを教えてください
他の病気で脳梗塞、前立腺肥大、メニエール病の薬を服用していて、大動脈解離(かいり)を併発しています。
78歳、脳梗塞(のうこうそく)経験があるため、父の入院スケジュールはこのような日程でした。
・9/6(水)入院
脳梗塞の血液サラサラの薬を抜くため、1週間早く入院しました。
この処置がない場合は、前日の入院で良いようです。
●9/13(水)手術
午前9時:歩いてオペ室へ
午後1時半:執刀医から説明
午後2時半:ICUで面会
午後4時半:ICUが満室のため、簡易ICUの個室へ移動
たくさんの計器と管(導尿、体液排出ドレーン)がベッドの周りに取り付けられました。
●9/14(木)一般の個室へ移動
手術の翌日から、おかゆなど食事が出ました。
吐き気止めで実際に食べられるようになったのは、翌々日からです。
術後3〜4日目くらいでシャワーを浴びたと思います。
●9/21(木)退院
肺を切除したため、呼吸が苦しそうでした。
自力で屋外を歩けるまで回復しました。
手術の傷は痛くないの?
「肺の手術」と聞いて、手術を受ける父が、痛がったらどうしよう…と不安だったのですが、入院中に一度も「痛い」は言いませんでした。
手術後から退院まで、痛みのコントロールについて、見ていてわかったことをまとめてみます。
●手術後
たくさん管がつながれていて、肺を切除した背中にも、管(くだ)がささっていました。
手術翌日、看護師さんに聞いたのですが、痛み止めというより「麻酔」のような薬で、術後の痛みをコントロールしているようです。
退院までの一週間、痛み止めはこのように変わっていきました。
点滴 → 座薬 → 飲み薬
術後は父の吐き気がひどく、出された食事を食べられませんでした。
しかし傷が回復し、痛み止めも弱い薬になっていき、徐々に食事が食べられるようになりました。
●退院後
退院時には、飲み薬の痛み止めを処方されました。
1日3回でしたが、1日2回→1回と、減らせるなら減らしていくよう言われました。
父の場合、前立腺肥大など他の病気の薬も飲んでいたため、痛み止めを早めに減らした方が良かったようです。
肺の手術って何が大変なの?
背中の傷、たて20cm、横15cmはきれいにくっついていますが、肺を切除したことにより、呼吸が苦しく疲れやすい症状が出ています。
同じように肺を切った人の話を聞くと、徐々に肺活量が増し、元と同じような生活に戻れるようです。
父は70代後半で高齢のため、3か月くらい経てば以前の生活に戻れる見込みでいます。
手術の先生にも「旅行に行けるようにもなりますよ。」と言われました。
現在は術後1か月半、もう1か月あれば、呼吸機能はもっと回復しそうです。
●呼吸が苦しく、酸欠傾向に
右肺の10分の3を切除したため、呼吸が苦しそうでした。
手術して1か月たった現在、だいぶ改善されましたが、いまだに苦しそうです。
回復の様子は次の通りです。
・入院中
病棟のシャワー室まで歩いていける程度。
片道歩いたら、しばらく休まないと動けませんでした。
・退院して半月
屋外の散歩を始めてみましたが、体力が続かず断念しました。
午前中は頭がだるく、ベッドに座り込んだまま首をうなだれている日が多かったです。
・退院して1か月
傷が徐々に回復し、体力も少しずつ戻ってきました。
母の車に乗せてもらえば、スーパーの売り場を歩いて買い物に行けるまで復活しました。
●血液サラサラの薬を一時中断しました
退院後、手術でドレーン排出をしていたあたりに、体液がたくさんたまってドス黒い皮膚になってしまいました。
脳梗塞の薬「血液サラサラ」を飲んでいたためだと思います。
この薬を一時中断し、たまった体液が自然に吸収されるのを待ちました。
注射器で抜くこともせず、自然に治しましたが、退院後に最も冷や冷やしたことのひとつでした。
さいごに
78歳の父は呼吸器外科の先生に手術を勧められて「手術を受けます」と即答したそうです。
「ちょっと調べてから」「考えさせてください」と思わないところが、患者としてすごい!と思いました。
わたしは風邪や生理不順など体調が悪いとき、すぐネットでちょこちょこ、調べてしまいます。
「肺がん」という大病になると、意外とネットで調べないものなんだな…と、父の病気を通して思いました。
わざわざ調べなくても、目の前にいる担当の医師が、テキパキとわかりやすく説明してくださいます。
わたしも父も母も、何も調べることなく手術を受け、治療を決めました。
わたし自身は内臓の手術をするような病気はまだしていませんが、父の肺がん手術の様子で、手術の流れを知ることができました。
病棟の医師、看護師さんたちが、いつも素早い対応をしてくださり、安心した手術・入院生活でした。
これから手術を受ける人は、きっと不安な気持ちでいっぱいのことと思います。
体力的に心配な78歳の父でも、肺がんの手術を受けられました。
みなさんの手術も無事終えられ、お体の回復も順調でありますように、心からお祈りいたします。