みなさまこんにちは。なんなん(@nannanchannel) です。
わたしは先月から近所に住む女の子にピアノを教え始めました。
以前も自宅で教えたことがあるのですが、以前は仕事として軌道に乗らないまま「ピアノの先生」を続けることができませんでした。
ピアノの先生になるには何が必要なのか?ということを、ピアノの先生業がとぎれとぎれになってしまったわたしの経験から書いてみようと思います。
ピアノの先生になりたいな・・・という人の参考になれば幸いです。
必要なのは・・・1.生徒が好きな時に音を出してもいい部屋
自宅で人にモノを教える場合に絶対に必要なものは「部屋」です!
グランドピアノを所有していてピアノも弾けるわたしに足りなかったものは「生徒が来やすい日時にピアノの音を出せる部屋」でした。
わたしの昔の同級生、同窓生でフリー(楽器店勤務でない)でピアノの先生になれている人はこんな風に「音を出せる場所」を確保していました。
- 自分が育った自宅の自室を区切って入り口半分をピアノ教室に〜広いので奥はベッドなどプライベートスペース
- 自宅の脇に離れにピアノ室を建築〜ご主人が建築関係の仕事で詳しい
- 新築をしたときに入り口に近い8畳間をピアノレッスン室に確保〜わたしの子供時代の先生もこれでした
- 実家を改築して広いレッスン室に〜結婚後も車で片道30分かけて実家へ仕事しに通う
人ごととして書いてみましたが、建築費や改築費、どれも相当額かかっていそうですよね。
例外として、広いリビングにグランドピアノを1台置いて、普段の生活を見せながらピアノ指導をしていた先生がいたのですが、この先生はわたしが習っていた先生で大学で講師をするレベルの先生でした.
「わたしの先生もリビングで教えてたのでわたしもリビングレッスンで何とかなるだろう」と考えていたのですが、甘かったです。
「大学講師の先生とわたしとでは格が違う」ということが全くわかっていませんでした。
ピアノ演奏もプロレベルの先生でしたので、遠くから電車や車で生徒さんがひっきりなしに習いにくるような先生でした。
あとからこの先生も自宅を改築して専用のピアノルームを作って、防音設備を入れたりしていました。
「ピアノよりレッスン室が大事だ」と、今ふりかえると思います。
ピアノの楽器なんていつでも買えます。
でも教える生徒に来てもらう部屋を用意するのが、一番費用がかかるし工面も大変だし必要なことです。
ピアノの場合、大きな音がする楽器なので「防音」も大事です。
ご近所への防音だけでなく、同居する家族が苦痛に思わないようにしないといけません。
わたしの住まいの場合、ご近所への防音は部屋の配置や距離を置いて何とかできたのですが、リビングにあるピアノを弾くと家じゅううるさいため、ピアノを教えることを仕事にすることができませんでした。
わたしがわたしの住む家で誰かにピアノを教えられるのは、家族が学校や職場に行っていて留守で、わたししか自宅にいないときだけなんです。
そんな場所にピアノがあるようでは「わたしに(うちの子に)ピアノ教えてください!」と人が来にくいですよね。
家族と同居する人は、家族が在宅していてもピアノを教えていても大丈夫なようにしないと仕事が続けられません。
例えば結婚していて子供がいる先生の場合、夜5時6時に子供が帰宅する、7時8時に夫が帰宅する、家族の在宅に合わせて仕事をセーブしたいか、時間と場所を工面して仕事したいかで、生徒を招く部屋をどうするのか考えないといけなくなります。
近年ネットの発達で、スカイプやハングアウトでピアノを教えることの可能性が広がってきました。
わたしの自宅もレッスン部屋には使えませんが、動画で何かピアノを弾くための知識やテクニックを録画してアップして広めようとすることならできるのでは・・・と考えています。
必要なのは・・・2.ピアノの弾き方がわかること
2番目にあげたのが「ピアノの弾き方がわかること」で、でもこれは絶対条件ではないような気もします。
たとえばレッスンルームがあり、ピアノを教えられる人を何人も雇ったら、ピアノを弾けなくてもその人は「ピアノの先生」になれるのかもしれません。
正確に言うと「ピアノ教室運営者」となるので、先生かどうかは微妙ですが、良い運営ができれば間接的にでも立派なピアノ教育者になれる可能性があったりします。
さて先生が自分でピアノを指導する場合、2番目に必要だと考えるのはピアノの弾き方がわかることです。
「こうするとピアノが弾けるようになるよ」ということを、習いに来てくれた人に教えられるからです。
ピアノが弾ける人の場合、「自分でも何だかわからないけど弾けてる」状態のことが多いのではといろんな人を見ると感じます。
特にピアノが上手い人は上手いほど、適性があったりよい教育環境で学んだりコツコツ根気よくピアノに取り組んだり「それができて当たり前」という感覚が育ってしまうため、できていない人がどうしたらできるようになるか・・・?ということは、意外と見つけられにくいのではとわたしは考えています。
「ピアノが上手いのとピアノを教えるのが上手いのはちょっと違うよねー」というのが、昔からピアノの先生方の中にある感覚があります。
もちろん自分のピアノが上手ければその下にある人を引き上げられる距離はすごくなるのですが、下過ぎて手を差し伸べられなくなるのがピアノの世界ではありがちです。
ピアノを教える世界でも「マッチング」が大切なのかもしれないなと思ったこの頃でした。
ちょうどよいところにいる人を、上から引き上げてもらうのが良い師弟関係(先生と弟子)なのかもしれません。
上すぎる先生に習って「何いわれてるのかよくわからなかった、身についた気がしない・・・」という経験がわたしにあるからです。
だいぶ脱線しました。
「目の前にいる生徒さんがこうするとピアノが今日よりもうちょっと上手く楽に弾けるようになる」を見て聞いてわかるのが良いプロのピアノの先生かなって思いました。
必要なのは・・・3.ピアノ!
3番目に必要なものとして「ピアノ」をあげました。
楽譜のよみ方と鍵盤の場所(ドとかソとか)を一致させるだけなら音の出ない「紙(かみ)鍵盤」でだって教えられてしまいます。
紙鍵盤とは紙にピアノの鍵盤の白い鍵盤、黒い鍵盤を同じ数(できれば大きさも)で書いたもので、押しても音は出ません。
紙鍵盤は実際の鍵盤と楽譜(もしくは耳で聞いて弾くべき音)がなかなか一致しない人にはけっこう使える教材です。
紙鍵盤は補助的に使うとして、アコースティックのピアノがピアノを教えるのには必要です。
アコースティックとは弦を張った楽器としてのピアノのことです。
電気をさして電気音でピアノの音を出す「電子ピアノ、デジタルピアノ」と区別するためによく言われるようになりました。
アコースティックピアノはできれば小さい子供もグランドピアノでレッスンした方がいいのですが、「少し弾ければいい」目標ならアップライトピアノでも十分です。
「キーボード学習」ということでは、電子ピアノが補助で、もしくはメイン楽器で教えてもいいのかもしれません。
わたしの自宅は教える部屋がないのにグランドピアノはあるという状態で、そちらよりも「生徒と先生の都合で来てもらって構わない電子ピアノのあるレッスン室」の方がはるかに仕事するには向いています。
ピアノの先生に最も必要なもの・・・4.それは情熱!?
4つめに書いてしまいましたが、ピアノを教える先生に最も必要なものは教えることへの「情熱」ではないかと思うこの頃です。
「情熱」だけあれば、先ほどの「1.部屋がない」「2.ピアノの弾き方はわからない」「3.弦を張ったピアノがない」なんて問題はふっとびそうな勢いです。
部屋がなければ家賃を払って借りるかリフォームする、他の先生と部屋をシェアするなど方法はありますし、ピアノがない場合も中古入手やレンタル、ゆずってくれる人を探すなどどうにかなります。
わたしが見ていてピアノの先生として成功している人は「仕事にかける情熱」がハンパないです。
部屋、活動、遠征、衣装・・・時間もお金もしっかりかけています。
ピアノの先生はもう何十年も前からレッドオーシャン。
「差別化」をはかった人だけが多くの生徒や保護者たちに支持されています。
ピアノの実力で差別化をはかれたらはかればいいし、ピアノの実力が足りなくても他の力でも十分カバーしていけますよね。
「情熱」が最もついていく人を動かしていくんじゃないかって思いました。
ピアノの先生になるには何が必要!?のまとめ
今わたしが必要だと思った「ピアノの先生になるためには!?」のあれこれを書いてみました。
わたしの場合は家を新築したときに「レッスンルーム」について甘く考えていて、「ただのピアノ置き場、ご近所に音が迷惑にならなければ」程度にしか考えていませんでした。
20年前のお話でした。
わたしは仕事や自分のキャリアについて今まで無関心で、家の家事と子育てだけを考えて20年くらいいろいろやってきました。
今は家でピアノ教えられないので、外でパートに出て子供に勉強を教えています。
専門を1つに絞りきれないので、自分でも得意分野が分散して散ってる気がします。
ピアノの先生になりたい人は、ぜひ情熱をもって自分が「これ必要!」と思うものをひとつずつそろえていってください。
わたしも「レッスン室」のちゃんとしたのがありません。
レッスンルームを持たない「ジプシー先生」なんてのもいいかな?とちょっと考え始めました。
ピアノの先生ひと筋で行った方がもちろんプロフェッショナルで成功しますし、わたしのように他のことしながらでも(勉強教えるほかにウェブライターの仕事もしています)「ピアノの先生になりたい」と心から思う人は、ぜひその情熱を燃やし続けて求められる人の先生になってください!