みなさまこんにちは。なんなん(@nannanchannel) です。
一度でいいから舞浜に住みたい!でも家族や老親も地元にいるし、いまの仕事もやめたくないし・・・のなんなんが「年収は住むところで決まる」というタイトルの本を読みました。
著者は「エンリコ・モレッティ」と言いましてアメリカの経済の教授が書いた本です。
副題に「雇用とイノベーションの都市経済学」と書いてあります。
本の現物をみて、字が細かくて内容もむずかったかも・・・と思いつつも、なんでもディズニーに結びつけていれば楽しく読めるかも、と最後まで何とか読んでみました^^。
生まれてから進学、就職でも一度も生まれた県から離れたことがないので、どんな感想をもったか書いてみようと思います!
地元でしか商売できない職業と世界で競争する2種類の仕事がある
資本主義の日本やアメリカには、「地元でしか商売できない職業と世界で競争する2種類の仕事がある」ということだそうです!
たとえば大きな工場ができてそこで働く人がいる、そこで働く人が食堂でごはんを食べたり床屋で髪を切ったりしますが、その食堂や床屋で働く人がいる、という2種類の職業のちがいです。
わたしは「地元でしか商売できない仕事」で働いていて、わたしの子供のうち1人は「世界(または国内)で競争する仕事」で働いています。
身の回りの仕事、この2つに分類されるようです。
みなさんの仕事はどちらですか?
たとえばお医者さまなども「地元でしか働けない仕事」にあたるそうです。
ディズニーランドで働くのは地域型、世界競争型のどっち?
わたし自身ディズニーランド好きが高じて「キャストになって一度はディズニーで働いてみたい!」と思うようになりました。
この本を読んだきっかけのひとつでもあります。
「東京か千葉の大学に進学→4年間ディズニーでキャストをする→就職」なんていう動きができたら一番よかったのかもしれないです^^。
ディズニーランドで働いているメンバーは「9割がアルバイトのキャスト」と聞いたことがあります。
ディズニーランドには電車や高速道路を使わない車など近くの人も、飛行機に乗って遠くからくる遠くの人や外国の人も、いろんな距離の人が訪れます。
「ディズニーランドは地域型、世界競争型、どっちなんだろう??」と「年収は住むところで決まる」の本を読んで思いました。
実際に働くのは足を運んで通える人たちだけですが、遊びに行くお客さんは「世界競争型」なのかもと考えました。
「年収は〜」の本の中では、売るのは国内、世界と広くなるけど商品のアイデアを作るのは「適した立地のところにみんなで集まって働くのが合理的」と書かれてありました。
キャストでも正社員でも、働きたかったら舞浜に住むことになるんだな〜とこの本のおかげで納得がいきました。
ピクサーのある周りに良いレストラン、美容院が集まる仕組み
この本の第2章「イノベーションの乗数効果」には「ディズニー・ピクサー」映画会社のお話が導入にでてきます。
この導入部分でピクサーの作る映画がイノベーションの象徴として扱われ、ディズニーファンにはたいへん楽しく読めるところです^^。
ピクサーの会社は「カリフォルニア州エリミービル」というところにあります。
「映画会社で働く人が集まると、そこで食事を提供したり働く人の髪をととのえる仕事をする人も集まってくる」という街の仕組みが本の中に書かれています。
作られる映画、イノベーションの質が高いと、そこに集まるレストランや美容院の格も上がりウエイターさんや美容師さんの賃金も上がります。
「あの素晴らしい映画を作る人たちに毎日食事や美容を提供している心の支え」って働く誇りにもつながりますよね^^。
「ピクサーが周辺の雇用の質を高める」の話は、第2章内の「エンジニアが増えればヨガのインストラクターも増える」にその後つながっていきます。
アイデアを作る場所、物を作る工場の違い
この本で一貫して書かれていることは、実際に物を切ったりくっつけたりして作る「工場」は場所をそれほど選ばないけど、どんな商品を作るのかの「アイデア」は優れたクリエイターの集まる土地で刺激を受けながら作る必要があると書かれてありました。
日本の衣類、電化製品や家具などでも多くみられて、考えるのは国内だけど実際に作るのは賃金の安い外国の工場だったりします。
ここまでは生活の中で言われなくても実感できるのですが、工場や映画会社など他の雇用を生み出す会社(飲食店、理髪店、医者、街が大きくなると学校なども)が自然と集まってくる仕組みは興味深かったです。
アメリカの著者なのでアメリカ内の話が大半でした。
アメリカの州の名前、特徴など知らないまま読みましたが、ちょうどアメリカ大統領選挙の真っ最中に読んだため、イノベーション産業を起こしやすい地域とそうでない地域の違いが少しわかってきたところが面白く読めたところです。
わたしはどこに住む?の問いにも答えてくれる本
わたしの場合「ディズニーの近くに住みたい!」「パークで遊ぶだけでなくディズニーで働いてみたい!」の問いに、答えてくれる本なのでは?と思いました。
もちろんこの本1冊だけで、舞浜や東京、千葉に住めるかどうかの答えが出るわけではないですが、どのように街が発展、衰退していくかを論じた本なので「どこに住む?」という深くて重たい悩みにはよく効く本なのではと思います。
「ディズニーの近くに住みたい、一度でいいから働いてみたい」という希望と、「今の家族と暮らしたい、年老いた親の世話もしたい、地元で働いていたい」という現実には大きなへだたりがあります。
舞浜近くに行けずに地元にこのまま残って住むとしても、イヤイヤやむなく残るのでなく、どうして自分が地元に残ることを選んだのかというモヤモヤした根拠が見えてくるのがこの本の持つ実力だと思います。
いろんな人に読んでほしいなと思いますが、特に読んでいただきたい方々は「地方に住んでいて東京など都市圏の大学に進学するかどうか迷っている人たち」です。
都会に行かないと大学がない、都会に残らないと仕事がない、みんなが乗っているレールに乗っかるとこんな道しか見えなくなります。
世の中の産業が発達、衰退する仕組みを知り、自分の身の置きどこをどこにするのか経済学を通して参考になるのではと思いました。
翻訳がとてもわかりやすくて経済学ど素人のわたしが読めたので、長くて時間かかるかもですが誰でも読める本だと思います。
都会にいくにしても田舎に残るにしても「自分の意思でこの土地を選んで住むことにした」という意思が固まりやすくなりそうです。
「読後感想」’年収は「住むところ」で決まる’を読んだよ!のまとめ
「どこに住むか」は「誰の近くに住むか」「どんな職場で働くか」と密接な関係にあります。
今の住まいより他に住みたいところができてしまった人にはとても悩ましい問題ですよね。
わたしの場合はディズニーランドのことがなければずっと地元にいたいのですが、ディズニーが舞浜にあるために「舞浜の近くに住みたい」と薄々ですがずっと思ってきました。
今日わたしが紹介した本が「住むところ」について迷っている人の参考になれば嬉しいです!
年収は「住むところで決まる」雇用とイノベーションの都市経済学
エンリコ・モレッティ著